ハイドン ピアノ三重奏曲 第39番ト短調(オーストリア)
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは、神聖ローマ帝国(現在のオーストリア)出身の音楽家であり古典派を代表する作曲家です。数多くの交響曲、弦楽四重奏曲を作曲し、交響曲の父、弦楽四重奏曲の父と呼ばれているハイドン。
ピアノ三重奏曲 第39番 ト長調(愛称:ジプシートリオ)は、ハイドンのピアノ三重奏曲の中で最も有名な作品です。ハイドンは東ヨーロッパの音楽とジプシー音楽を大変好んでいました。
彼が仕えたエステルハージ公爵がハンガリーの血を引いていたことも、ハイドンをそうしたリズムに向けさせてのかもしれません。第2楽章ではカンタービレで魅力的なヴァイオリン旋律が導き出されますが、ピアノは当時での最大限の音域まで利用して豊かな伴奏を奏で、ピアノという楽器への飽くなき挑戦がうかがわれます。
そしてとりわけジプシーロンドとして印象的な第3楽章は非常に愛らしい主題とその変奏の緩除楽章で始まり、明るい長調と哀愁に満ちた短調の対比が美しく、シンコペーションのリズムを加えながら変容するピアノの上を歌う柔らかいヴァイオリン・ソロが印象的です。リズム・旋律は素朴で、しかも長調と短調の色彩的効果に洗練さを感じさせる楽しいフィナーレです。
ハイドンの作品はオペラから民謡の編曲に至るまで膨大な作品の総数はおよそ1000曲にもなります。ほかの音楽家との交流や流行の音楽との接触があまり無かったため、独創的な音楽家となり、ジプシートリオもリズムがユニークな作品です。
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